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心理学は安住の地ではありません②

セミナー後は「良かった!」ばかりではなく、アンケートや質疑では反感、疑問の声ももちろんあがります。

誰もが自由につぶやくSNSではストレートに否定するものも見つけられます。

実際の書き込みやつぶやきからいくつか例をご紹介しましょう。

本日はその2つ目。

大きなお世話と言われました

私に直接ではありませんが。
スルーしたい気持ちに逆らってみます。

お子さんが障がい等の課題を抱えている母親たちのSNSの中で、
「親切に近寄ってきたと思ったらカウンセリングの営業、即切った」
「子育て指南とか苦手。信用できなくて嫌い」
「どれだけ関連本読んだと思っているの。全然当てはまらない」
とのつぶやきを発見。
激しい同意と称賛コメントがたくさんつきます。

そう。
わかる気もします。
お子さんと付きっ切りで、一切を引き受けるのは自分しかいない、
自分以外のご家族からも理解を得られなかったり、
地域や学校、担当者からも理不尽な対応をされ続けていたりしていたら。
どれだけご苦労されたり疲弊されていることか。

当事者同士の吐き出しで得られる共感は 本当に心の支えになりますね。

ただ、私が気になったのはとても排他的だと感じた点。
どうせ他の人にはわかるまい。
話しかけ無用、ほっといて、大きなお世話、
と拒絶された感じ。

お子さんに障害があるにしろ無いにしろ、子育てに難しさを感じる事は当然の事です。
苦労なく楽勝~、なんて親はいませんね。
もちろん程度の差があって「どうして自分だけがこんなに苦労の多い親なのか」という切なさですね。

それでも伝えなきゃ

繰り返しますが、そう思うお気持ちに共感する上で言います。
子供は親より長生きします。
自分の理解者は誰もいない、頼れる人はいないんだ、
という価値観を植え付けては大事なお子さんが生きにくくなります。

公的な支援は不十分であったり
窓口の対応が悪い事もあるでしょう。
もう十分経験済みであきらめの境地かもしれません。
それでも もうあれもこれもダメ、と教えこまないで欲しいと思います。

不十分だという事、改善してほしい事を伝える場があれば続ける事は大事。
窓口の対応の悪さは理解不足かコミュニケーションの能力不足。
相手も人間なので欠点もあります。

そこで腹を立てて見込みはないと拒絶しては何も進みません。
理解してくれないから口ききたくない、がお互いに起きては不毛です。

*人にも制度にも限界がありますから、利用できるものはしながら
敵意をむき出しにしない。

*支援を申し出る人には期待しすぎない、役立たずと決めつけない。

*子育てセミナーが現実とかけ離れ過ぎていたらフィードバックしてみる。
もしかしたら共感票がよっぽど集まるかもしれません。
実際ネット記事にはそんな場面が良くあります。
人間関係に専門家と名乗る人の浅いアドバイスがあると、
コメント欄に優れた反論やダメ出しが載っていて、密かに頼もしく思うのです。


すべてに可能性は0という姿勢で徒党を組むと
有益な情報も気付きにくくなってしまいます。
なんて 普通の事ばかり並べ過ぎました。

本当にあった話

実際に 
学校のママ友に仲間意識を感じられず、
完全に行事や連絡を無視していた方がいました。

春の集会で囲い込んで詰問してまで役員を決める様子を見たことが
無視を決め込んだきっかけだそうです。
(それはそれでスゴそうですが。+o+)

何年か後、逃げ切りにも限界があり、
ある夜、役員さんから直接電話がありました。

間違って出てしまうと(笑)最初役員さんは彼女が毎回欠席する事に
批判的で語気が強かったそうです。

もう逃げられないので、
自分は母子家庭で働きづめで余裕がない事、
それを囚人環視の中で言うのもイヤだったことを破れかぶれで伝えたそうです。

すると間をおいて、別人のような声で詫びられ、
自分から役員仲間に説明をして免除してもらうように了解を取る、
といわれたそうです。

「もう、最後逆に、頑張ってくださいねって言われちゃって、
ウルっと来ちゃった。
 私が事情を伝えないで無視していたのも悪かったんだよね。
 こちらこそすみませんでしたって。(笑)」

古い例ですがこんなエピソードを教えてくれた方がいました。

無視や拒絶の方が楽です。
これは嫌々取ったコミュニケーションによって前進した例です。

生き残るわが子に必要な姿勢は?

改善を目指して積極的にコミュニケーションを取っても望まない結果になることもありますから、難しいですよね。

ただ、そこから拒絶、では進展がなくなります。
もっと子供たちにより良い人生を送って欲しいのに。
大きなお世話をしてくる人にも、何が余計で何が足りないのか
当事者視点できちんと伝えれば、何もできない営業は退散します。

下心や好意を利用してお子さんが生きやすくなるような
利点があるならそこだけ受け取りましょう。
違法でなければしたたかOK。

まずは事情や背景を知らないと。知らせないと。
それなしに理解は深まりませんね。

伝える態度、聴く態度にムカつかないのも大事。
「それムリ」って思いこむのもちょっと待って。
拒絶、大きなお世話、で済ませる事がお得ではない事もありますから。