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心の専門家は頼りにならない?

育児、教育、ビジネス、スポーツ界でも心・メンタルの専門家が頼られる時代です。
ケアする傾向は良い事です。しかし耳慣れていても実際に利用している人が少ないのも現実でしょう。
専門家も人間。とりわけ特殊なこの分野を遠慮も依存もなく利用出来たら理想ですね。

専門家とは

こんにちは。
皆さんは心の専門家というとどのようなイメージをお持ちでしょうか。
専門家なのだからイメージではなくて確固たる資格が必要だったり定義があるのでは、と仰る方もいるでしょう。
専門家とはざっくりと言えばその道のプロですね。知識、経験、技能があればよいのです。
そして対価を受け取る事も出来る。
資格試験に受からなければ名乗ってはいけない職業もあれば(業務独占資格等)カウンセラーやライターのように資格に関わらず名乗れるものもあります。
身近な素人さんを専門家と称える時「それ、売れる」「プロ級」などと誉め言葉として使いますね 。

資格に期待するもの

逆に専門職から期待通りのサービスを受けられなかった場合、文句は強めに言いたくなりますね。
できて当たり前だと期待していたのに裏切られたのですから。
対価に見合わなかった、損した感が加勢します。
知識、経験、技能の程度が個人の思い込みやアバウトではいけないので資格があります。
(本当は資格制度を語ると深いのですが割愛します)
皆さんも受験や様々な資格試験に挑戦して勉強された経験があるでしょう。
ただ、心理職、カウンセラーは特殊です。知識が豊富な人が良いカウンセラーでしょうか?
良いカウンセラーは一時的な吐き出しを傾聴してくれる人、と相談者が満足すれば問題はありません。
時には話をよく聞いてくれなかったり、持論を押し付けてきたり、相談者にとって不快な事が起きることもあります。
教員、医師なら授業や診察が進められれば、イヤな対応は二の次と考えることもできます。
一方、店員さんなどは対応力が問われ、コミュニケーション力に資格がなくても満足のいく対応をするのが当然、と期待される職業です。
アーティスト系では作品が評価の対象となり、少々の変人ぶりも作品を盛り上げたりしますね。
または私たちが日頃「良い対応をしていただいた」という印象を抱いても相手は職業的な対応をしただけで腹の中は別ものかもしれません。(私はそれで構わないとも思っています)

資格に補償されない物

どの職業にも人格検査なるものはありません。
仮に人格や対応スキルを問うテストがあっても、合否に関わると知っていたら不利な回答をすることもありません。
対人対応力が試験の回答と異なることがあるのですから(あるいは審査なし)人が向き合う教育やビジネスの場で不快な思いをするチャンスはたくさんあります。
同じことはカウンセリングの場でも起こりますが、なぜか心の専門家ならそんなことは起こらないはず、という期待があるのですね。
さらに例を挙げると、試験で高得点、面接でも普段でも人当りも良く、申し分ないと高評価で採用された人が、将来大掛かりな不正や使い込みをする事だってあります。
極端な例ではありますが、ニュースでもよく耳にすることです。
ピンチの時に敵前逃亡するかどうかも、事が起きてみないとわからないですね。
私を含めて誰しも。
どんなピンチかにもよりますね。(笑)
資格があることが善良さや人格の保障であることなどありません。(もちろん倫理要綱はあります)
学歴や難易度の高い資格が必要な職業でも 悪徳○○〇、クソ○○、やぶ○○などという言葉があるのはご存知でしょう。
自己表現が下手で誤解されやすい人が誰よりも誠実で情に厚い例もあります。
これらは学歴や資格、成績、印象の評価が当てにならない例ですね。

最強のカウンセラーは?

絵や音楽、スポーツと同様にコミュニケーション/対話力はセンスによる所が主だと思います。
+αで知識やルールが身に付いていればよいカウンセラーかもしれません。
優秀なプレイヤーやアーティストがその道の優秀な指導者になるかどうかは別問題だという事はご存知ですね。
個人的には心の専門家も研究職に向いている方はカウンセリング力が無くても結構だと思います。
逆もアリです。

私が思う最強のカウンセラーは「バーのママ」(笑)
ママが美人か不美人かは問いません。
対価を払い、仕事や家庭の問題を無意識に吐露してしまう人が絶えないからです。
そして癒されたり、たしなめられたりしてもリピートし、家庭や仕事に回帰していくのです。
そんな夫はイヤとか、それが良いとか悪いとかの話ではありません。
相性は大事ですがママに特別は心理資格など必要ありませんね。
様々な個性と対人センスがあるのだろうなぁと想像できます。

何が何でも専門家なの?

最近TVで「必ず心の専門家に相談してください」と強制する心理職を見て、不快になりました。
皆さんの周りにはストレスの元となる人もいれば、理解力や包容力があって居心地のいい無資格の友人知人家族もいらっしゃるのではないでしょうか。
相談手段がない、あるいはもっと限られた環境だったり戦時中など、今よりずっとストレスフルな時代にも心理職ナシで人々はたくましく生きてきたはずです。
深く傷ついたり、人は当てにならないと教訓を得たかもしれませんが、近年のように心理職が増えたからと言って問題が解決しやすくなったり人々のストレスが減ったとも思えません。
子育てママは「親の資格」など意識してもしなくても日々向き合うしかありません。
初めてだから、専門知識ないからという言い訳など思いつかないまま知らずに知識・スキル・経験を積んでいることはたくさんあります。

先の「必ず専門家に」と仰った心の専門家は、誰かの傷ついた体験に寄り添った回答をしたのかもしれません。
私が思うのは、傷つきっぱなしで終わらないで欲しいという事です。
相談したのは素晴らしい行動ですし、助言通り心の専門家に救われるかもしれません。
もし救われなかったらどうしますか?
次の専門家を探す、そもそもの問題解決に立ち返る、などと打開策を考えて欲しいのです。
あきらめる、悟るは結構ですが浮上できない、絶望する、は損です。
仮に自分にとって満足のいく反応をする人を見つけても、ただの都合のいい人で成長の妨げになることもあります。
誰の言うこともよくよく考えて次の行動につなげていくことが大切です。(私の言うことも)
私の課題でもあります。

誰を選ぶかは大事

心=脳なので疾患や個性(癖や傾向やパターン)の見極めや行政案内や価値観を伝えられる心理職は本当にごく一部です。
要は心に関しては専門家に過剰に依存したり過信することを危険視しているのです。
人はそれぞれで複雑なのですが、専門家ゆえに知識やデータありきで一方的な面談が進められるという事が起きたりもします。
もちろん相談者に合っていれば問題ありません。
ストレスや問題を解決するために行動するのは素晴らしい事です。
身近な人には知られたくない話題を職業的な他人に相談するのも大事な解決法です。おススメしますし、有効であることも願っています。

今回は心の専門家に関しては資格があってもセンスのない人・合わない人はいますよ、というお話しです。問題解決は簡単な事ではないので挑戦し続けてくださいね。
(セミナーではより詳しくお伝えしています)
私も相性の合わない人からセンス無い、といわれるでしょう。

そう言えば昔、ナンバーワンホストは見た目に関係なく話をよくきいてくれる人だったような。
因みに私はホストさんや素敵なママさんのいるお店に行ったことはないのですが、お勤め経験のある方々は天性で人当りが良い方ばかりでしたよ。